リウマチ治療中のはしか(麻しん)ワクチン接種について2018.6.10
はしか(麻しんウイルス感染)についての報道を目にすることがありますね。
最新の感染情報は国立感染症研究所のホームページをご参照ください。
http://www.niid.go.jp/niid/ja/id/655-disease-based/ma/measles/idsc/6709-20160825.html

海外からの渡航者が増えたこと、20から30代の方がはしかへの免疫が弱まっているいること(はしかに罹患したことがなく、かつワクチンを1回だけ接種した世代。しかし平成2年4月2日以降に生まれた方は2回接種され免疫が強化されていると推測される。)に起因しているとされています。

はしかに予防効果があるのはワクチン接種です。

現在使用できるワクチンは、はしかと風疹に対するMRワクチン、はしか単独ワクチンの2種類です。しかし、いずれも生ワクチンのため、生物学的製剤(アクテムラなど)や低分子阻害薬(ゼルヤンツなど)、タクロリムス(プログラフ)、メトトレキサート投与中の方は、接種によりワクチン由来の感染を増強させるリスクがあり、添付文書でも日本リウマチ学会ガイドラインでも、現在まで「接種してはいけない」ことになっています。(現在、はしかに対する不活化ワクチンの臨床試験が遂行中です。)

生ワクチンは、他にポリオ、風疹に対するものがあります。

流行地域に行く方、海外渡航予定の方は流行地域の情報を調べ、ご自身のワクチン接種歴を確認し、さらに事前に抗体価検査(免疫力の指標)をしておくと安心です。当院でも検査できますので、ご心配な方はご相談ください。

厚生労働省のホームページも参考になりますのでご参照下さい。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html

インフルエンザ、肺炎球菌ワクチンは不活化ワクチンのため接種が推奨されています。

詳しくはリウマチ外来でお尋ねください。はしかだけを見れば空気感染はありうることですが、他にも感染症はたくさんあるため、人混みを避け、基本的なマスクや手洗いの習慣も続けていきましょう。

 スマートフォンによる手の痛みを予防する7つのコツ2018.5.13
いつもホームページをご覧いただきありがとうございます。
スマホは日常に必須のアイテムになっていますね。親指の付け根や指の第一関節が痛くなったことがある方もいらっしゃるかもしれません。そんなあなたに、少し役に立つコツを特別にお伝えします。

1、まずは一回、スマホをテーブルに置いてみる。
2、指、手首、前腕をストレッチ。ただし意図的に関節を鳴らすのはNG。
3、文字入力には「フリック」動作を。「タップ」を避け、スワイプを使う。
4、痛む前に、反対の手に交替。
5、今度購入するときは小さい画面より大きな画面のスマホを。テーブルに置いて、文字入力をイメージしてみて。
6、文章入力を短く。たまには電話でお話ししてリアルコミュニケーションも。
7、痛くなったら市販の痛み止めを使ってもいい(短期間なら)。

ぜひお試しください。もし痛みが続くようなら、腱鞘炎や関節炎かもしれません。その場合には当院にご相談くださいね。

 美しく老いるコツ、それは筋肉への投資。2018.3.11
宇宙飛行士や寝たきりの高齢者に起きる廃用性筋萎縮。

自衛隊大湊病院にも医師として勤務したことがある金井宇宙飛行士が、JAXAのプロジェクトとして、今まさに空の上の国際宇宙ステーションで筋肉や骨の実験を続けています。

体を動かさなければ、筋肉は痩せていく。。。言わずもがなですが、宇宙医学的な視点で見ると、「筋肉、つまり筋タンパクは常に分解され続けている」とも言えます。

体幹を支える質の高い筋肉のために必要なのが、筋肉のもととなるタンパク質の摂取や筋タンパク分解を阻止する成分の摂取です。

このような良質なタンパク質や成分は、豆類、特に大豆に多く含まれていると言われています。

大豆にはイソフラボンやカルシウムも含まれ、メタボや骨粗鬆症予防にも効果的。毎朝のお食事に、「豆腐や納豆、油揚げ、きな粉、豆乳」を取り入れてみてはいかがでしょうか?

 もっといい運動がないか?お探しの方へ2018.2.11
胃がん、心筋梗塞、骨折治療などの効果、いわゆる医学の発展によって寿命が伸びているといわれています。しかし同時に、障害を持ちながら生きていく年月、いわゆる平均寿命と健康寿命の差も伸びてきました。

美しく老いるコツは?その一つのヒントはロコモティブシンドローム予防、「筋肉への投資」です。
https://locomo-joa.jp/locomo/03.html

筋肉への投資とは、栄養素であるタンパク質の摂取と、運動の習慣。

「少し運動しなければな〜なんて思っているけど、冬は寒くてなかなか外に出られないし。」「毎日散歩しているけど、体調がよくないときには外には出られない。どんなリハビリがいいかな?」というご意見やご要望をお聞きすることがあります。そんなときには「フリフリグッパー体操」。
http://www.twmu.ac.jp/IOR/index/center-letter/735-201410.html
http://soyalab.taiiku.tsukuba.ac.jp/index.html

1、好きな音楽をかけて、立つ。
2、手拍子をしながら「グー」「パー」を繰り返す。
3、腰を左右に振る。

これだけ。

2〜3分がいい塩梅です。お試しあれ。

 肺炎の既往があり、リウマチ治療が心配なあなたへ2017.12.23
日本リウマチ友の会雑誌「流ながれ334号」の「あなたの悩みを専門医にきく」コーナーに塚原聡医師が寄稿しました。

「肺炎、非定型抗酸菌症をわずらったことがあります。以前までリウマチは落ち着いていたのですが、最近痛みが強くなり、担当医から薬の変更をすすめられましたが、心配です。」
医学的な合併症リスクの考え方について、あなた自身のこころの準備、そして主治医との信頼関係の作り方ついてお答えしました。

医学的には「非定型抗酸菌症を患ったことがある方に対し、生物学的製剤を使用する場合に専門医はどのように考えていくのか?」、ご興味のある方は日本呼吸器学会ガイドラインをご参照ください。
http://fa.jrs.or.jp/guidelines/guidance_respiratory-disease_s.pdf

当院では関節の炎症や痛みを改善する治療だけでなく、患者さま本人、サポートしているご家族の声に耳をかたむけ、みなさまが思い描く日常生活に復帰できるような支援をして参ります。

 米国リウマチ学会2017ダイジェスト2017.11.18
11月4-8日にカリフォルニア州のサンディエゴで米国リウマチ学会が開催され、110か国、16000人が参加しました。リウマチ治療を牽引する大規模な学会の一つです。

トピックスの一つは、全身性エリテマトーデスに対する分類基準が発表されたこと。今後の治療の標準化が期待されます。

関節リウマチに対する治療薬に関しては、従来の生物学的製剤とほぼ同等の効果が期待できるバイオシミラーと、有害事象の懸念が少ない低分子化合物JAK阻害薬(前述の日本リウマチ学会2017ダイジェストをご参照ください)について多く発表されました。

国内では、現在は低分子化合物JAK阻害薬は2剤使用でき、2018年にバイオシミラーの選択肢が今よりも増える予定で、効果と経済的負担を考慮した治療をご検討いただけそうです。

塚原整形外科医院では、あなたに適切なリウマチ治療をご提案させていただきます。

 欧州リウマチ学会2017ダイジェスト2017.7.22
6月14-17日にスペイン首都のマドリッドで欧州リウマチ学会が開催されました。次々と上市されるリウマチに対する新規薬剤の使い方が整備され、専門医による質の高い医療を提供するべく、医療者に対するガイドラインが発表されました。

当院でも、ガイドラインを準拠しております。バイオシミラーと呼ばれる比較的安価な生物学的製剤をはじめとし、経済的負担を考慮した最適なリウマチ治療をご提案させていただきます。

専門医向けになっていますが、ご興味のある方は、欧州リウマチ学会治療ガイドライン、日本リウマチ学会ガイドライン、当院連携の東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センターの治療推奨もご参照ください。

http://ard.bmj.com/content/annrheumdis/early/2017/03/17/annrheumdis-2016-210715.full.pdf

http://www.ryumachi-jp.com/info/RA_guideline.html

http://www.twmu.ac.jp/IOR/diagnosis/ra/medication/recommendation.html

 第3回日本SURF臨床医学研究会2017.7.22
サーフィンの外傷や慢性的障害を医科学研究していくミーティングが7月15日横浜市で開催され、医師、看護師、理学療法士、救急救命士、薬剤師などが参加しました。
2020年東京オリンピックでは千葉県一宮町でサーフィン競技、湘南江ノ島ではセーリング競技(ヨット、ウインドサーフィン)が開催されます。その準備段階として、世界大会のメディカルサポートの実際について、海洋生物によるケガについて、サーファーと納豆アレルギーの関係、初級者のサーフィン後に対麻痺になるサーファーズミエロパチーについて発表されました。

トップアスリートの低栄養、無月経、骨粗鬆症の関係性について、東京大学の能瀬さやか医師(八戸高校出身)が発表しました。

当院では新しい情報をお届けし、アスリートの競技復帰のため適切な医療をご提案して参ります。

 藤沢リウマチネットワーク市民公開講座2017.5.12
6月24日土曜日藤沢市 藤沢商工会館において兵庫県立加古川医療センターの中川夏子先生が「関節リウマチの最新治療戦略と〜薬物治療と手術について〜」と題して講演されます。
リウマチの治療が劇的な変化を遂げた今、従来の「痛くて歩けないから人工関節の手術しなきゃ」から「痛みはそこそこだが、もっと手で作業できるようになりたい」「当たって痛い靴を直すのは限界、足の形を整えてしっかり歩きたい」と、患者様のニーズも変わって来ました。
患者様の価値感の変化に合わせた手足の関節温存の手術方法について御講演いただきます。
塚原聡医師もパネリストとして登壇します。ぜひご期待ください。

 日本リウマチ学会2017ダイジェスト2017.5.7
4/20-4/22福岡市で日本リウマチ学会が開催されました。
テクノロジーの進歩により開発された新規の低分子化合物「バリシチニブ」(比較的まだ高額な内服薬)の臨床試験の結果が発表されました。

現在処方可能な「トファシチニブ」と同じサイトカインの細胞内シグナル伝達に重要な役割を果たすJAK(ジャック)と呼ばれるキナーゼ蛋白を標的とした低分子化合物です。
効果は、従来の抗体製剤や「トファシチニブ」と同等に比較的良いようです。
副作用に関しても同等で、欧米人に比べ本邦を含むアジア人では帯状疱疹(水疱瘡と同じウイルスによる皮疹)の発生頻度が多いようですが、従来のように重篤なものは少ないようです。
これまでの内服薬や抗体製剤の注射で効果が不充分な方のもう一つの選択肢となりそうです。

これからの未来は、テクノロジーがもっと発達し、AI(人工知能)や遠隔診療、環境や遺伝子情報による医療の最適化が身近になっていくでしょう。しかし、テクノロジーを使っても、「どのような自分になりたいか?どのような未来にしたいのか?」と考え、思い描き行動していくことは人間にしかできません。

当院では、みなさまの穏やかな日常に戻るため、思い描く未来のために、適切な医療をご提案して参ります。

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